そもそもお茶ってものは、まずは『おいしく飲もう』という考えありきで道具が作られ、その後にお作法がつくものであって、道具と作法をさきに持ってきちゃうとおいしいお茶なんて煎れられないんです。
韓国茶礼とやらで使う茶葉がどんな発酵のさせ方をしてるのか知らないし抹茶使ってるのかもしれないが、ぶっちゃけあれはないぞ。
私は茶道はやってないんですが、母と友達がたしなんでいるのでまぁある程度はわかります。お釜があるのがわかるように、基本的にお抹茶はぐらぐらに沸騰した湯を使います(ちなみに、お釜の蓋を取るときは女の子は袱紗を使っていいらしいんですが男の子は素手で取らないといけないそうなw 熱くないの? って聞いたら「ちょう熱い。でも男の子はそこが根性のだしどき」だそうですw)んで、ぐらぐらのお湯じゃないとお抹茶がダマになっちゃうんだそうな。お茶器暖めてるのは温度が下がらないようにするためだそうです。これはほかのお茶でもそうですねぇ。
で、ここがポイントなんですがお抹茶の場合は『高いところからお湯は注がない』。理由は『お抹茶は粉だから高いところから勢いよくお湯を注ぐと器の中で広がっちゃって煎じにくいから』。お抹茶の場合は『お湯は静かに注ぐ』のが基本です。
逆に『高いところからお湯を注ぐ』のが煎茶・紅茶・功夫茶。これは『急須の中で茶葉を踊らせる』のが目的のため。これらのお茶は茶葉をお湯の中で広がらせて抽出するため、勢いよくお湯を注ぐわけです。
煎茶・紅茶・功夫茶においても『沸かしたての熱湯を使う』というのは基本中の基本です。ぬるいお湯でいれると味もおいしくないし、なにより香りがたちません。お茶は味もそうですが、香りを楽しむというのもありますので(功夫茶なんか特にそう)、ぬるいお湯を使うとかありえない。上のリンク先の画像みたく、『急須に入れて持ってきたお湯で茶を入れる』とかあり得ない。これは少なくとも紅茶や煎茶を飲む人ならわかるはず。というわけで日本人ならわかるはず。
ほかの器に移したくらいのぬるい湯で煎れた方がおいしい茶葉とかもありますが(玉露とかはすごくぬるいお湯で煎れた方がおいしい)、それにしてもあれはない。たいていはこういう感じの湯沸かしを使います。まず沸騰した湯を使って、適温にさましていくというのが基本なんです。だって湯なんて沸かし続けてないと冷めていくばかりなんだから、適温なんてわかりゃしないでしょう。
これをふまえて韓国茶礼を見ますと、熱湯を使っている形跡がないのがまずおかしい。写真左側の急須置きみたいのが湯沸かしだったとしても、陶器の急須を火に掛けてるとかはない。鉄瓶で沸かした湯で煎れた方がうまいというのも基本中の基本です。それに沸くのに時間かかるじゃん、陶器だと。土鍋みたいなもんだよ。冷めるのは緩いけどさ。
で、急須から勢いよくお湯を出している……のに、茶碗。茶筅があるところからしてお抹茶なんでしょうが、上記のとおりお抹茶であれはない。茶葉だとしたら茶碗にいれるとかありえない。いいとこ蓋椀です。
ほんとね、韓国人ってお茶のことなんだと思ってんの? どうせ茶葉だけはいいの使おうと見栄張っていいお茶でたててんだろうけど、そんなたてかたしても、飲んでるほうだっておいしくないだろうよ。
お茶ってそもそも古今東西コミュニケーションツールなんであって、まずい茶出されたところで話なんかはずむかよ。茶道だってまずはおいしいお茶ありきなんだよ。
まずい茶をありがたがって飲んでる奴らはそれだけで、『うちに喫茶の習慣はありませんでした』って露呈してるだけなんだって気付けよ。お茶がかわいそうだわ、ほんと。