今日も
痛いニュースさんから。人のふん(ry
中国人作家「日本の弁当は冷たい。死者への敬意を表しているのではないか」(コンビニ弁当はともかく、)日本人は冷たい弁当を好む、その中に何か深い意味が潜んでいるのかもしれない。私が推察するには、彼らの精緻で美しい食品は時に死者に奉げる食品と非常に似ていることで、とりわけあの誇張された色である。例えば赤よりも更に赤い魚肉団子のようなもの(おそらく梅干)、黄色より更に黄色いタクワンなどだ。日常の中ではあまり見ることのない色が、弁当の中に出現するのだ。
この記事、すごくおもしろいです。中国と日本の食文化、職に対するスタンスの違いが、短い記事の中なのに如実に表れてますね。
基本的に中国では、冷たい食事は取りません。記事中にもあるように、お弁当でもそうです。これは医食同源や陰陽五行の思想から、
『身体を冷やす食べ物はよくない』という考えです。中華料理が温かい食べ物ばかりなのはそのためで、中国では飲み物も冷やしません。最近は冷たいジュースやビールなども流行しているようですが、これは日本式の食生活がブームになっているだけで、中国の食生活からすると邪道なわけです。
実際、中国や台湾では夏でもおでんが売られているそうです。夏なのに大人気なんだそうですよ。日本人の感覚からすれば、夏におでんなんて暑くてやってられないですけど(笑)
これはおそらく、常に中華文明の中心であった中原あたりの気候の影響が大きいのではないでしょうか。寒冷で乾燥した気候なので、身体を冷やすと健康に悪い、っていうのはわからなくもないですね。朝鮮にも医食同源の思想は入りまして、同じように冷たい食べ物や冷たいお弁当は基本的にありませんでした。特に朝鮮では徹底していたようです。……なので、朝鮮での『冷麺』がいったいどういう経緯で成立したのか非常に興味があります。もともと冷麺は冬の食べ物だったそうなのですが……ご存じの方情報プリーズ。
閑話休題。
ところで中国には、『冷えた食べ物=死人・囚人の食べ物』という考えもあります。おそらく上の記事で『死者への敬意』という発想が出たのはこのためでしょう。そして『死者に捧げる食品ににている』というのはちょっと感心しました。よく見てるなぁ。
日本で盛り籠にしたり仏壇に供えたりするのって、色鮮やかなものが多いですよね。砂糖細工(あれって何て言うんでしたっけ?)のお供えだとか、果物だったら林檎だったりバナナだったり。盛り籠はきれいに見えるよう、彩りを考えて盛られます。で、たいてい盛られてるのは食品です。そのあたりが、中国の感覚から見れば『過剰なまでに整えられた彩り鮮やかな、冷えた食べ物』を『生きた人間』が食べることによって、死者への敬意をあらわしているように見える、のでしょう。
中華料理は、宮廷料理あたりにまでいかないかぎり(ものによってはそれさえ)、『目を楽しませる』料理はあまりありません。『おいしそう』な料理はたくさんありますが、『きれい』な料理を探すのは大変です。庶民の料理になればなおさらです。
日本の食文化というものは、どちらかというと『見た目』が重要です。目で楽しませ、さらに味で楽しませる、という二段階を踏むわけです。おおざっぱな人はあまり気にしませんが(私かw)、うちの母親なども、料理の盛りつけには『彩り』を重視します。日本の食器の種類が豊富なのは、こういった『彩りの美しさ』という理由もありますね。
こういった日本の食文化はエンターテイメントとしても優秀で、フレンチにも取り入れられたという経緯があります。フレンチが彩り美しく飾るようになったのは、懐石料理がルーツですしね。
日本のお弁当がきれいなのは、こういった『二段階のおいしさ』をとりいれたためだし、日本人が冷たいお弁当でも気にしないのは気候の違いで冷たい料理が一般的なため、といえます。
また、日本のお弁当は「冷えてもおいしい」ことを重視して作られてます。これはやっぱり、基本的に「お弁当をあたためて食べない」ことを念頭に作っているためで、コンビニのお弁当でも、あたためなくてもそれなりにおいしく食べられるようになってますね。
まぁ、私はあたためたお弁当の方が好きですけど(笑)……あ、でもおにぎりは冷たいほうが好きかなぁ。あたたかいおにぎりも嫌いじゃないけど。味付けのりが巻かれてる部分が大好きです。
日本人からすればあたりまえな食文化も、外国で生まれ育った人から見れば不思議がいっぱいなわけですねぇ。
そういえば、台湾のコンビニでおでんの汁のなかにトウモロコシが入ってたのも、食文化の違いなのかもしれません(笑)……おいしかったよ、トウモロコシおでん。
posted by NORIKO at 11:59|
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